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売却前に知っておきたい「不動産の査定ポイント」

不動産を売却するとき、多くの人がまず気にするのが「この家はいくらで売れるのか」という点です。
査定価格は単なる計算ではなく、数多くの要素が重なり合って決まります。専門家がどんな視点で物件を評価しているのかを知っておくと、売却前に準備すべきポイントが見えてきます。
ここでは、プロが実際に現場で行っている査定の見方をわかりやすく紹介します。

立地条件は査定の土台となるポイント

不動産の価値に最も大きく影響するのが「立地」です。

建物の状態が良くても、立地条件が悪い場合はどうしても評価が伸びにくくなります。

査定時には、駅までの距離、周辺の買い物環境や病院、学校などの生活利便施設、さらには坂の多さや日照時間、騒音の状況まで細かく見られます。

主なチェック項目

・駅までの距離(徒歩分数)
・周辺の利便性(スーパー、病院、学校、役所など)
・高低差(坂の多い地域は評価が下がることも)
・周辺の治安・騒音・交通量
・災害リスク(洪水・津波・土砂災害エリアかどうか)

特に注目されるのが「災害リスク」です。洪水ハザードや土砂災害の警戒区域に入っている場合、購入希望者は慎重になりやすいため、査定にも影響します。

立地は変えられない要素だからこそ、査定では大きな比重を占めるのです。

建物の状態は「維持管理の履歴」が問われる

建物の価値は築年数だけで判断されるわけではありません。

同じ築20年でも、外壁をこまめにメンテナンスしてきた家と、放置されてきた家では査定結果が大きく変わります。

戸建ての場合、外壁や屋根の劣化、基礎の状態、シロアリの有無など“安全性”に関わる部分は特に慎重に見られます。

マンションの場合は、室内だけでなく「共用部分の管理状況」も評価対象です。

エントランスや廊下がきれいに保たれていたり、管理組合がしっかり運営されていたりすると、購入希望者の安心感が高まり、結果的に査定にプラスとなります。

戸建ての場合のポイント

・外壁や屋根の状態(ヒビ割れ、雨漏りの有無)
・基礎部分の劣化
・シロアリ被害の有無
・給湯器など設備の耐用年数

マンションの場合

・共用部分の管理状況(エントランス、廊下の清潔さ)
・修繕積立金の残高や管理組合の運営状況
・大規模修繕の実施歴

室内の印象は売却結果を左右する

査定では「室内がどれだけ丁寧に使われているか」も重要なポイントです。

壁紙の日焼けや汚れ、床のキズ、水回りの劣化など、生活感が強すぎる場合は評価が下がることがあります。

しかし、だからといって高額なリフォームをする必要はありません。

実際の売却現場では、丁寧な掃除、消臭、簡単な補修だけで印象が大きく改善し、査定にも良い影響が出ることが少なくありません。

室内をどこまで整えるかは費用とのバランスですが、見せ方次第で価値が変わるのは確かです。

土地の形と広さ

土地そのものの特性も査定では重視されます。

同じ面積であっても、正方形や長方形のような「使いやすい形の土地」は評価が高く、逆に旗竿地や細長い形の土地は使い勝手の面から評価が下がることがあります。

また、道路に面している幅(接道幅)が十分あるかどうかも重要です。車の出入りがしやすく、将来的な建て替えもしやすい土地は購入希望者に好まれます。

一方で、接道が狭い、傾斜地、崖地などの場合は、安全性や利用のしづらさが影響し、査定が抑えられるケースがあります。

良い評価になりやすい

・整形地(正方形・長方形)
・道路との接道幅が広い
・平坦な土地

マイナス評価になりやすい

・旗竿地(細長い形)
・崖地、傾斜地
・接道が狭い

直近の成約事例が「査定価格の現実的な基準」になる

査定の際にプロが特に重視するのが「過去の成約事例」です。

これは、同じエリアで似た条件の物件が実際にいくらで売れたかという“リアルなデータ”です。

売り出し価格はあくまで希望価格であり、実際に売れた価格とは異なることが多いのですが、成約事例は「市場がその価格を認めた」という証拠です。

そのため、査定では成約価格を基準に、物件の特徴を加味して算出します。

この作業によって、現実的で信頼性の高い査定額が導き出されます。

不動産査定=周辺の実際の売買データが基準

・同じエリア
・同じ広さ
・同じ築年数
・同じ条件

これらが近い物件の“実際に売れた価格”を元に算出するため、机上の計算とは異なり、現実的で正確性の高い価格になります。

マンションの場合は「階数」「向き」も重要

マンションならではの査定ポイントもあります。

南向きの部屋は日当たりが良く、人気が高いため査定もプラスに働きやすいです。

高層階で眺望が良い部屋や角部屋も同様に評価が高くなります。一方で、北向きや低層階、道路沿いで騒音が気になる部屋は、購入希望者から敬遠されがちで、査定に影響することがあります。

マンションは同じ建物内でも部屋ごとに条件が大きく違います。

査定では、その部屋ならではの「メリット」をしっかり評価することが重要です。

プラス評価

・南向き
・高層階
・角部屋
・眺望が良い

マイナス評価

・北向き
・低層階
・エレベーターから遠い
・騒音の多い道路沿い

査定には「3つの種類」があることを理解しよう

不動産の査定には、大きく分けて3種類の方法があります。

まず手軽なのが「机上査定」です。住所や間取りなどの情報をもとに大まかな金額を算出するため、スピードが最も速い査定方法です。ただし現地を見ないため精度は限定的です。

次に「訪問査定」があります。

実際に現地を確認し、建物の状態や周辺環境まで把握したうえで価格を算出するため、より正確な査定額になります。

売却を検討している場合は、こちらが基本になります。

最後に「売り出し想定価格」です。これは実際に販売する際の価格で、査定価格とは別に設定されることもあります。

人気エリアの場合は査定額より高く設定することもありますし、早期売却を目指す場合はあえて低めに設定することもあります。

査定額の種類

  1. 机上査定(簡易査定)
     情報だけで算出するのでスピード重視。

  2. 訪問査定
     建物・周辺環境まで細かくチェックするため精度が高い。

  3. 売り出し想定価格
     実際に売り出す際の価格。査定額より高めに設定することも可能。

まとめ:査定ポイントを理解して“高く売る準備”をしよう

査定は「家の価値を測るための健康診断」のようなものです。

どこが強みで、どこが弱点なのかを知ることで、売却戦略が変わります。

・掃除や整理で印象を上げる
・強みをしっかり伝える
・適切な査定を受ける

これだけでも売却成功率は大きく変わります。

不動産の査定は、家の価値を知るための大切なステップです。

立地、建物の状態、室内の印象、土地の形状、周辺の取引状況など、さまざまな視点から総合的に判断されます。

どの部分が評価され、どこが弱点なのかを知ることで、売却までの準備がぐっと進めやすくなります。

「何から手を付ければいいかわからない」という場合でも、室内の整理や掃除、におい対策など、できるところから始めるだけでも印象は大きく変わります。

より高く、よりスムーズに売却するために、査定のポイントを知っておくことは大きな武器になります。

伊藤宏治

伊藤宏治

CFP®認定者、宅地建物取引士、リフォームスタイリスト1級。お金、不動産、住まいの3つの視点から、お客様の「豊かな暮らし」を実現するお手伝いをしています。「ライフプランニング」「住宅購入・売却」「リフォーム」といった、人生の大きなイベントで役立つ知識を、専門家ならではの視点で分かりやすく解説。皆さんの選択がより良いものになるよう、心を込めて情報をお届けします。

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