お金の相談というと、「もう少し貯まってから」「困ってからでいいかな」と思う人が多いものです。
しかし、FP(ファイナンシャルプランナー)として多くの相談を受けていると、“得する人”と“後悔する人”の差は、実は相談のタイミングにあると感じます。たとえば、住宅購入の前に相談した人は無理のない返済計画を立てられ、教育費の準備を早く始めた人は老後資金にもゆとりが生まれます。
一方で、「もう少し早く来ていれば…」という後悔の声も少なくありません。
FP相談は“特別な人だけのもの”ではなく、誰でも気軽に活用できる「人生の設計図づくり」。
今回は、FP相談をうまく活かしている人の共通点と、後悔しがちな人の特徴を3つずつ紹介します。
1.「早めに相談する人」と「問題が起きてから相談する人」
得する人は、家を買う前・子どもが生まれる前・退職前など、人生の節目の少し前に相談に来ます。
つまり、「これからどうするか」を考える段階で行動しているのです。
この時期に相談を受けると、ローンの組み方、保険の見直し、貯蓄の仕方などをトータルで設計できるため、選択肢が広く、将来の安心にもつながります。
一方、後悔する人は、トラブルや不安が起きてから来ることが多いです。
たとえば「住宅ローンが家計を圧迫している」「教育費が足りない」「親が亡くなって相続で揉めている」など、すでに問題が発生している段階です。
この場合は“修正”はできても、“理想の形”に戻すのは難しくなります。
FP相談は“治療”ではなく“予防”が本来の目的なのです。
2.「目的を持って相談する人」と「何となく話を聞きに来る人」
得する人は、「○年後にマイホームを買いたい」「子どもの教育費を確保したい」「老後も月20万円の生活をしたい」など、目的を持って来られます。
目的があると、FPも具体的なプランを提案できますし、数字を使って“見える化”できるため、相談の効果が格段に高まります。
一方、後悔する人は「とりあえず話を聞きたい」「家計が厳しい気がする」と、ぼんやりしたまま来るケースが多いです。
もちろん、最初から完璧な目的がなくても大丈夫ですが、目的意識が弱いと、「何を改善すべきか」があいまいになりがちです。
結果、「相談したけど何も変わらなかった」と感じてしまうことも少なくありません。
FPに会う前に、「何を一番良くしたいか」をひとつだけ決めておくと、相談の質が一気に上がります。
3.「家族と共有してから来る人」と「ひとりで抱え込む人」
お金の問題は、家族の価値観や生活スタイルにも深く関わります。
得する人は、事前に家族と話し合い、「どんな暮らしをしたいか」「何を大切にしたいか」を整理してから来ます。
そのため、FPとの話し合いでも方向性がぶれず、家族みんなが納得できるプランを立てやすいのです。
反対に、後悔する人は「夫(妻)には内緒で相談してみた」とひとりで抱え込みがちです。
結果、せっかくの提案が家庭内で反対されて進まなかったり、途中で意見が食い違ったりします。
FP相談を最大限に活かすには、家族全員で“未来のお金”を共有する姿勢が欠かせません。
FP相談をうまく活かす3つのコツ
1️⃣ 家計の数字をざっくり整理しておく
収入・支出・貯蓄・ローンなどをざっくり書き出しておくだけで、相談がスムーズになります。
2️⃣ 家族の将来像を話しておく
たとえば「子どもは私立に行かせたい」「老後は今の家で暮らしたい」など、方向性を共有することが大切です。
3️⃣ “今”と“10年後”の両方を考える
目先の支出だけでなく、将来のライフイベントを見据える視点を持つと、相談の効果が大きくなります。
まとめ|FP相談は「行動が早い人」ほど得をする
FP相談で得する人は、「困ってから」ではなく「考え始めたとき」に動く人です。
まだ問題が起きていない段階だからこそ、余裕を持って準備でき、選択肢を広く取ることができます。
そしてもう一つの特徴は、「数字だけでなく家族の幸せを一緒に考えている」こと。
FPの役割は、家計の改善だけでなく、人生の地図を一緒に描くことにあります。
「いつか相談しよう」と思っている方こそ、今がその“ベストタイミング”です。
将来のお金の不安を“見える化”し、安心できる未来を一緒に描いていきましょう。
