「高齢化白書」によると、2017年10月時点で、65歳以上の高齢者人口は27.7%と3割近くなり、これからさらに上昇する見込みです。
よってこれからの住宅は、高齢者が住むことを前提として考える必要があります。
現時点では必要なくとも、将来必要になった時に、容易に、あまり費用をかけずに対応できる状態にしておくといいと思います。
そのための部位別のリフォームのポイントをまとめてみました。
道路
・道路と敷地の境界線はできるだけ平たんにする。
・段差ができるときは緩やかな傾斜路とし、仕上げ材はすべりにくいものにする。
玄関
・てすりや簡単な腰掛を設置し、履物の着脱を容易にする。
・土間は広めにする。(1.5m×1.5m程度)
廊下・階段
・廊下は後で手すりを付けた時にも十分な幅を確保する(※階段のてすりは建築基準法で設置が義務付けられている)
・中途半端な段差はなくし、仕上げ材は滑りにくいものにする。
リビング・ダイニング
・室内から直接庭などに出られるように掃き出し窓を設ける。
・一日の多くを過ごすので、冷暖房設備を設け快適な室温を確保する。
・視力が衰えるので、十分な明るさの照明器具を設置する。
・腰をかがめずに済むように、コンセントは高めの位置で、多めに配置する。
寝室
・洋室にベッドを基本とし、8畳程度の広さを確保する。
・浴室やトイレと隣接させると介護が必要になった時に安心である。
・照明は、枕元にスイッチを設置するか、ワイヤレスリモコンにする。
トイレ
・寝室の近くに設置する。
・暖房、温水洗浄便座を設置する。
・幅1,365mm、奥行き1,820mmを確保し、介助スペースを確保する。
洗面・脱衣所
・腰かけて更衣できるように、スペースを広めに確保する。
・壁面のどこにでも手すりがつけられるよう下地を入れておく。
・肌を露出するので、安全で立ち上がりの早い暖房機器を組み込む。
浴室
・広さは1坪以上確保する。
・脱衣室との段差を小さくし、浴槽のまたぎ高さも400mm程度に抑える。
・床は滑りにくい仕上げ材とする。
・出入口は3枚引き戸など、広い間口にする。
・浴槽は和洋折衷型とする。
上記のように様々なポイントがあるので、リフォームの際には参考にしていただければ幸いです。