遺言書を書いた方がトラブル防止になる
相続をスムーズに行いたいと思うなら、遺言書を用意しておくことをおすすめします。
遺言書がない場合、遺産分割協議書を法定相続人間で作成する必要があり、話し合いの中で揉める原因となってしまいます。
相続税の申告期限は10カ月なのでその間に話し合いをまとめなければならないのも難点です。
そのため、トラブルを防止するためにも遺言書を用意しておいた方がベストです。
ただし、遺言書はただ書けばいいというものではなく、一定の様式に従って記述しないと無効になってしまいますので注意が必要です。
法的に有効なものは「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3つの種類があります。
それぞれ見ていきます。
自筆証書遺言
自筆証書遺言は、本人が自筆で書いたもので、代筆やパソコンは認められていません。
ただし、財産目録だけはパソコンで作成しても大丈夫です。
注意点としては本人の記名押印だけでなく、日付を必ず記入することです。
これが無いと無効となってしまいます。
今までは自宅保管しか方法がありませんでしたが、現在では手数料を支払えば法務局で保管してくれるようになりました。
この場合、法務局で遺言の様式をチェックしてくれることに加え、検認(家庭裁判所で遺言書を確認してもらう)作業も不要になりますので自筆証書遺言を残す場合には検討してみてください。
↓法務局保管制度について
2024.01.16
遺言書の紛失が心配なら、法務局で保管してくれる制度があります!
遺言書の法務局保管制度 自分で遺言書を書いた時に意外と困るのがその保管場所です。 自宅のどこかに保管する場合は、誰かにその場所を伝えておかなければ発見されないままになってしまう恐れがありますし、伝えたら伝えたで改ざんされてしまうリスクがあります。 また、紛失という危険性もあるでしょ...
公正証書遺言
公正証書遺言は、公証人に遺言を口述筆記してもらったものです。
法律の専門家である公証人が作成してくれるので無効になることはありません。
ただし、2人以上の立ち合いが必要になります。
立会人は親族などの利害関係者や未成年者がなることはできない上に、遺言の内容を知られても問題ない人にしなくてはなりませんが、遺言書を確実にするためには安心な作成方法ではあります。
デメリットとしては費用がかかること、公証役場に出向くことなど手間がかかることです。(自宅まで出張してくれる場合もあります)
↓費用について
秘密証書遺言
秘密証書遺言は、本人が書いた遺言に風をしてから押印し、公証人と2人の立会人の間でこれが遺言書であることを証明してもらったものです。
この場合の遺言書はパソコンや代筆でもよく、署名さえ自筆であればOKです。
ただし、立会人は公正証書遺言と同様利害関係のない人にしなければなりませんが、遺言の中身については知られることがなく秘密性は保持できることろが違いですが、洋式の違いで無効になったりする場合や、相続時に検認が必要となることもあり、あまり利便性は高くないといえるでしょう。