会社を退職したら、申請するだけでもらえるお金があることを知っていますか?
逆に言えば、申請しないともらえないので知らないと損をしてしまう可能性があります。
ほとんどの人は退職をする時に金銭面での不安が頭をよぎるでしょう。
そんな不安を少しでも解消できるように退職後にもらえるお金についてまとめてみました。
①失業保険
会社で働いていて雇用保険に加入していれば、自己都合でも会社都合でも、それまでの勤務先を退職してから転職活動をしている間は失業保険を受け取ることができます。
給付の条件は、離職の日2年以前に雇用保険の被保険者期間が12か月以上あることです。
手続はハローワークで行います。
金額は、賃金日額×50%~80%×所定給付日数です。
賃金日額とは、離職した日の直前6か月の間に毎月支払われた賃金総額を180日で割って算出します。
金額の目安は以下の通りです。
※転職HacksのHPより転用
また、もらえる日数は勤務年数によって異なりますが、自己都合退職の場合90日~150日、会社都合退職の場合で90日~330日の間支給されます。
会社都合退職の場合は7日間の待機期間後に支給が開始されますが、自己都合退職の場合7日間の待機+2か月後の支給になりますので注意しましょう。
②再就職手当
失業保険の支給日数がまだ3分の1以上残っているうちに求職活動を行って内定をもらった人には再就職手当が支給されます。
手続はハローワークで行います。
金額は失業保険の支給日額×支給残日数×60~70%となっています。
支給残日数が3分の2以上残っていた方は70%、3分の1以上の方は60%と残日数によって支給額に差が出てきます。
3分の1以下になってしまうと支給されなくなってしまいますので、失業保険を満額もらうよりもすぐに就職を決めて、再就職手当をもらった方が生活としては楽になりますので個人的にはこちらをおすすめします。
③教育訓練給付制度・専門実践教育訓練給付金
雇用保険は、失業だけでなくスキルアップのサポートも行っています。
転職の際に有利となるさまざまな資格や、専門職に必要な技術の教育訓練の受講などにも支援制度が設けられています。
手続はハローワークで行います。
教育訓練給付制度は、失業者(離職して1年以内の人が対象)に限らず、在職中の人でも指定の教育訓練に申し込めば上限10万円の入学金、受講料が支給されます。
対象となる講座は税理士や調理師、TOEICなど多岐に渡ります。
さらに高度な支援を行うのが専門実践教育訓練給付金です。
訓練前に受給資格の確認をハローワークで確認する必要がありますが、対象の講座は資格が必要な業種(看護師、美容師など)の取得や専門職大学など幅広く、訓練中は最大120万円、訓練終了後1年以内に資格を取得して雇用された場合は最大168万円の支給額を受け取れます。
受講を検討される場合はこちらに詳細があります。
④技能習得手当・寄宿手当
就業のためには知識や技能を身につける必要がある場合にサポートしてくれるのが技能習得手当・寄宿手当です。
手続はハローワークで行います。
ハローワークでの職業相談で「再就職のために公共職業訓練を受講する必要あり」と認定され、さらにそれが「訓練の受講指示」へ繋がった上で公共職業訓練を受講すると、失業保険に加えて技能習得手当が支給されます。
さらに、訓練のために通所が必要な場合は「通所手当」が、訓練を受けるために寄宿生活を送らなければならない場合は「寄宿手当」が支給され、合計で最大160万円までの給付を受けることができます。
⑤未払い賃金立て替え制度
未払い賃金立て替え制度は、勤めている会社が倒産して賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、未払い賃金の一部を国が立て替え払いする制度です。
立て替え払いを受けるには、使用者が1年以上事業活動を行って倒産したこと、労働者が倒産について裁判所への申し立て等(法律上の倒産の場合)又は労働基準監督署への認定申請(事実上の倒産の場合)が行われた日の6か月前の日から2年の間に退職した者であることが条件で、未払い賃金の総額が2万円未満の場合は対象外となります。
倒産には「法律上倒産」と「事実上倒産」の2種類があり、それぞれで請求手続きが異なります。
「法律上倒産」の場合はすでに会社が破産申し立てをしているので手続きがスムーズですが、「事実上倒産」の場合は労働基準監督署に認定を申請するところから始める必要があります。
支給額は最大で296万円で退職時の年齢に応じて88万円~296万円の範囲で上限が設けられています。
⑥就業手当
失業保険の給付を受けている場合はアルバイトができない、と思っていませんか?
実はそんなことはなく短期のアルバイトは禁止されていません。
ハローワークに「〇月〇日にアルバイトをした」と届けて就業手当を申請すれば、その日に支給されるはずの基本手当日額の30%、上限は1,887円の範囲でお金が支給されます。
ただし、アルバイトにおける1週間の労働時間の合計が20時間を超えると雇用保険の加入義務が発生し、その事実がハローワークに伝わってしまうと失業保険の給付が受けられなくなってしまうので注意しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
会社を退職した後に支給されるお金は失業保険だけではなく、ここにあげたように様々な給付やサポートが受けられます。
存在を知らなければ申請ができずに損をすることにもなってしまいますので、この内容を覚えておいていただいて退職時にお役立ていただければ幸いです。