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住宅ローン

FPが教える!住宅ローンの基礎知識

住宅ローンは借りたら終わりではありません。
多くの人が「ローン契約を結んだら完了」と思いがちですが、実はそこからが本番です。
金利の変化や制度の改正によって、同じローンでも支払い総額が数百万円変わることもあります。
2025年は日銀の政策変更や金利上昇の兆しもあり、今こそ仕組みを見直すチャンスです。

住宅ローンの基本を理解しよう

住宅ローンは「元金(借りたお金)」+「利息(借りるためのコスト)」で成り立ちます。

返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があり、

・元利均等返済:毎月の返済額が一定で家計管理がしやすい

・元金均等返済:元金の減りが早く、総支払額を抑えやすい

といった特徴があります。

家計に合わせてどちらを選ぶかを考えるのがポイントです。

元利均等返済(がんりきんとうへんさい)

毎月の返済額(元金+利息の合計)が一定になる返済方法です。


家計の計画が立てやすく、住宅ローン利用者の約8割がこの方式を選んでいます。

・メリット:月々の返済額が一定で、将来の見通しが立てやすい

・デメリット:返済初期は利息の割合が大きく、元金がなかなか減らない

こんな人におすすめ・共働きで毎月の支出を安定させたい人
・教育費など将来の出費に備え、家計をコントロールしたい人
・住宅ローンを初めて組む人、または長期で無理なく返したい人

FPの視点


家計管理がしやすく、予算を固定したい子育て世帯に特に向いています。

「月々いくらなら安心して払えるか」を基準にシミュレーションすると良いでしょう。

元金均等返済(がんきんきんとうへんさい)

毎月の「元金」の返済額を一定にし、利息分を上乗せして支払う方法です。

返済が進むにつれて利息が減るため、総支払額は少なくなるのが特徴です。

・メリット:元金の減りが早く、総支払額を抑えられる

・デメリット:返済初期の負担が大きく、家計にゆとりが必要

こんな人におすすめ・収入に余裕があり、早めにローンを減らしたい人
・将来的に支出が減る(子どもの独立など)見込みがある人
・繰上げ返済を積極的に活用したい人

FPの視点


老後を見据えて「できるだけ利息を減らしたい」「早く返したい」という50代前後の方には有効です。

また、ボーナス返済を併用すると、より効率的に元金を減らせます。

固定金利と変動金利の違いを知ろう(あなたに合う選び方)

住宅ローンで最も悩むのが、固定金利にするか、変動金利にするかという選択です。

どちらも一長一短があり、「どちらが正解」という答えはありません。

自分のライフスタイルや家計の安定度、金利上昇への耐性によって“合うタイプ”が変わります。

固定金利型──安定を重視したい人に向いている

固定金利とは、契約時に決めた金利が返済終了まで変わらないタイプです。

代表的なのは「フラット35」。返済額が一定なので、将来の金利変動を心配せずに計画が立てられます。

・メリット:返済額が一定で安心。金利上昇リスクを回避できる。

・デメリット:変動金利に比べて初期の金利が高く、借入時の総支払額は多くなりやすい。

こんな人におすすめ・今後の収入見通しを保守的に考えたい人
・教育費や老後資金など、将来の支出が読みにくい人
・「金利が上がったら…」と不安を感じるタイプの人
・1つのローンを長期(30〜35年)で安定して返したい人

FPの視点


固定金利は“保険のような安心料”と考えると分かりやすいです。

金利上昇局面では結果的に得をすることも多く、リスク回避を重視する人には非常に適しています。

変動金利型──金利が低いうちに賢く返したい人に向いている

変動金利は、半年ごとに金利が見直される仕組みです。

多くの銀行では、当初の金利が固定型より1〜1.5%ほど低く設定されているため、月々の返済額を抑えたい人に人気があります。

・メリット:初期の金利が低く、総支払額を抑えやすい。

・デメリット:金利が上がると返済額が増えるリスクがある。将来の見通しが立てにくい。

こんな人におすすめ・収入に余裕があり、金利上昇時にも対応できる人
・繰上げ返済や借り換えを積極的に検討する人
・短期間(10〜20年以内)で返済を完了したい人
・市場金利の動向をチェックできる、情報感度の高い人

FPの視点


変動金利は「攻め」のローンです。

金利上昇リスクを理解しつつ、繰上げ返済でリスクを打ち消す戦略を立てられる人に向いています。

一方で、金利変動を気にして夜眠れない…というタイプにはおすすめできません。

固定か変動か、選ぶ基準は“安心”か“戦略”か

観点 固定金利 変動金利
向いている人 安心・安定を重視 積極的に繰上げ返済できる
特徴 金利が上がっても返済額が一定 低金利を活かして総額を抑えられる
リスク 初期コストが高い 将来的に返済額が増える可能性
向いている返済期間 長期(30〜35年) 短期〜中期(10〜20年)

金利は「リスクに対する報酬」。

安定を買うなら固定金利、柔軟に動けるなら変動金利。

もし迷うなら、ミックス型(半分固定・半分変動)を検討するのも現実的な選択です。

団体信用生命保険(団信)の仕組みを押さえよう

住宅ローンを組む際、多くの金融機関で「団体信用生命保険(団信)」への加入が必須です。

これは、契約者が死亡・高度障害になった場合に、残りのローンが保険金で完済される制度です。

最近では「がん団信」「三大疾病団信」など保障範囲を広げた商品もあり、加入すれば家族の安心にもつながります。

ただし、金利が0.2〜0.3%上乗せされるケースもあるため、他の生命保険とのバランスを見ながら選ぶことが大切です。

住宅ローン控除の最新ルール(2025年版)

控除の基本構造

・控除額 = 年末時点の住宅ローン残高 × 控除率(0.7%)

・控除期間 = 原則13年間(新築の場合)

・控除上限 = 住宅の種類や性能によって異なる

例えば

年末のローン残高が3,000万円なら
→ 3,000万円 × 0.7% = 21万円を所得税・住民税から控除

13年間継続すれば、最大で270万円以上の節税効果になるケースもあります。

対象となる住宅の要件(2025年版)

住宅の種類によって、控除できる「ローン残高の上限額」が違います。

住宅の種類 控除対象となる上限額 控除期間 控除率
長期優良住宅・ZEH住宅 5,000万円 13年 0.7%
省エネ基準適合住宅 4,500万円 13年 0.7%
一般の新築住宅 3,000万円 13年 0.7%
中古住宅・リフォーム 最大2,000万円(条件あり) 10年 0.7%


「うちは一般住宅だからダメかな…」と思っている方も、断熱改修や耐震リフォームを行えば対象になることがあります。

控除が受けられる人の条件以下のすべてに当てはまる必要があります。
1・自分が居住するための住宅であること(投資用や別荘はNG)
2・住宅ローンの返済期間が10年以上あること
3・合計所得金額が2,000万円以下であること
4・住宅の床面積が50㎡以上(中古住宅は40㎡以上)

まとめ──“借り方”より“活かし方”で差がつく住宅ローン

住宅ローンは、契約した瞬間に終わるものではありません。

返済を続ける中で「金利」「控除」「保険」の3つを定期的に見直すことで、家計の負担を大きく減らすことができます。

FPとしては、年に1度“ローンの健康診断”を行うことをおすすめします。

「借り換えたほうが得?」「繰上げ返済はいつがいい?」

そんな疑問が浮かんだときが、まさに見直しのタイミング。

専門家に相談して、今の家計に最適な返済計画を立てましょう。

伊藤宏治

伊藤宏治

CFP®認定者、宅地建物取引士、リフォームスタイリスト1級。お金、不動産、住まいの3つの視点から、お客様の「豊かな暮らし」を実現するお手伝いをしています。「ライフプランニング」「住宅購入・売却」「リフォーム」といった、人生の大きなイベントで役立つ知識を、専門家ならではの視点で分かりやすく解説。皆さんの選択がより良いものになるよう、心を込めて情報をお届けします。

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