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失業給付(雇用保険)を“知って安心”──転職・退職時の手続きと2025年の改正ポイント

「もし仕事を辞めたら…」に備える“雇用保険”の安心制度
働く人なら誰もが加入している「雇用保険」。
その中でも“失業給付”は、仕事を失ったときに次の職を探す間の生活を支える制度です。
ただし、申請のタイミングや離職理由によって給付額・支給開始日が変わるため、仕組みを正しく理解しておくことが大切です。

失業給付とは?基本の仕組みをやさしく解説

雇用保険の失業給付(正式には「基本手当」)は、離職した人が「すぐに働く意思と能力を持っている」場合に、一定期間・一定額の給付を受けられる制度です。

 支給額の目安

・給付額=離職前6か月の賃金日額 × 給付率(45〜80%)

・給付率は年齢や収入によって変わり、低所得者ほど高い率が適用されます。

支給日数

・離職理由・年齢・被保険者期間によって異なり、 最短90日〜最長330日まで。

・「自己都合退職」より「会社都合退職(倒産・解雇など)」の方が支給期間が長く設定されています。

手続きと支給までの流れ

1️⃣ 会社から離職票を受け取る

2️⃣ ハローワークで求職申込みを行う

3️⃣ 7日間の「待期期間」を経て、

4️⃣ 給付制限期間(自己都合退職の場合)終了後、支給が開始

この流れの中で、離職理由の確認が非常に重要です。

「自己都合」か「会社都合」かで給付日数や支給時期が大きく変わります。

特に、実際には会社都合に近いケースでも“自己都合扱い”になってしまうことがあるため、離職票の内容は必ず確認しましょう。

2025年の制度改正ポイント

失業給付制度は、より柔軟に働く人を支援する方向で改正が進んでいます。

自己都合退職者の給付制限が短縮

これまで自己都合退職の場合、2ヶ月間の給付制限がありましたが、2025年4月からは原則1ヶ月に短縮されます。

これにより、再就職活動を早く始めたい人がより利用しやすくなります。

教育訓練中の人への配慮が拡大

職業訓練や資格取得のための離職については、給付制限がかからない仕組みが整備されました。

FPとしても、「スキルアップを目的とした再出発」を後押しする制度として注目したいポイントです。

給付額の見直し(2025年8月〜)

賃金水準の変化を反映させるため、基本手当日額の上限・下限が見直されます。

これにより、賃金の高い層・低い層ともに、より実情に近い給付額が設定される予定です。

失業給付の支給までのステップ

ステップ 内容 自己都合退職(給付制限あり) 会社都合退職(給付制限なし)
① 離職 会社を退職
② 離職票の受け取り 会社から「離職票」を受け取る
③ 求職申込み ハローワークで離職票を提出し、求職申込み
④ 受給資格決定 離職理由の判定、説明会の案内
⑤ 雇用保険説明会 制度の説明、必要書類の配布
⑥ 待機期間(7日間) 給付なし。就労不可
⑦ 給付制限期間 自己都合退職の場合、さらに1〜2ヶ月の給付制限(原則は1ヵ月だが例外あり) 約1〜2ヶ月 なし
⑧ 求職活動 認定対象期間ごとに求職活動実績が必要 初回は1回以上 初回は1回以上
⑨ 初回失業認定日 ハローワークで失業認定申告書を提出
⑩ 給付開始 認定後、約1週間で口座に振込 約1.5〜2ヶ月後 約1ヶ月後

失業給付を上手に活用するためのFP視点アドバイス

・再就職までの期間を見越して家計をシミュレーションすることが大切。
 →「給付金+貯金」で生活費を何ヶ月まかなえるかを確認しましょう。

・教育訓練給付金との併用もおすすめ。
 資格取得を目指す場合は、一定条件で給付率が上がることもあります。

・離職前に「いつから給付が始まるか」を逆算しておくと、生活資金の準備に余裕が持てます。

制度改正で使いやすくなった一方、「申請のタイミング」「離職理由の分類」によって損をする人も少なくありません。

不安なときは、退職前にFPに相談し、「手続き・時期・受給額」をシミュレーションしておくと安心です。

まとめ──“知っているかどうか”で変わる安心度

失業給付は、単なるお金の支援ではなく、次のステップへの“助走期間”を支える制度です。

2025年の改正で、より早く・より柔軟に受け取れるようになりました。

「うちの場合、どのくらいもらえる?」「再就職までの資金は足りる?」

そんな疑問が浮かんだら、早めに制度を確認しておきましょう。

伊藤宏治

伊藤宏治

CFP®認定者、宅地建物取引士、リフォームスタイリスト1級。お金、不動産、住まいの3つの視点から、お客様の「豊かな暮らし」を実現するお手伝いをしています。「ライフプランニング」「住宅購入・売却」「リフォーム」といった、人生の大きなイベントで役立つ知識を、専門家ならではの視点で分かりやすく解説。皆さんの選択がより良いものになるよう、心を込めて情報をお届けします。

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