11月になると、生命保険会社や勤務先から「生命保険料控除証明書」が届き始めます。
これを年末調整で提出すると、所得税や住民税が安くなるという仕組みですが──
実はこのタイミングこそ、“保険の見直し”に最適な時期なんです。
普段はなんとなく払っている保険料。
「この保険、何のために入ったんだっけ?」
「もう10年以上たつけど、内容を覚えていない…」そんな声を、ファイナンシャルプランナーとして毎年たくさん耳にします。
今日は、年末のこの時期にぜひ確認してほしい“保険整理の3ステップ”を、FPの視点からお伝えします。
①「いつ・何の目的」で入った保険かを確認する
まず最初に見直したいのは、「加入目的」。
保険は“将来への備え”ですが、目的があいまいなまま継続しているケースがとても多いです。
たとえば──
・子どもが小さかった頃に「万一のため」に入った生命保険
・ローン返済を意識して契約した団信(団体信用生命保険)
・職場の勧めでなんとなく加入した医療保険
これらは、今のライフステージと合っているでしょうか?
子どもが独立した、ローンが減った、貯金が増えた――
そんな変化があったなら、保険の「目的」と「現状」を照らし合わせて整理するチャンスです。
②「保障内容」と「保険料」をセットで見比べる
次に確認すべきは、“何がどこまでカバーされているのか”です。
医療保険の場合は、入院1日あたりの保障額だけでなく、「先進医療」「通院」「手術」の条件もチェック。
生命保険なら、「死亡保障」「特約」「満期金」などの内容を整理してみましょう。
ここで大切なのは、「保障」と「コスト」のバランス」です。
同じような内容でも、月々の保険料が1,000円~2,000円違うだけで、10年・20年で見るとかなりの差になります。
もしも「似た保障で安くなるプラン」があれば、“乗り換え”や“特約だけ外す”選択も立派な見直しです。
FPのひとこと
古い保険には「更新型」が多く、10年後に保険料が倍近く上がることもあります。
証券に「更新」の記載がないか、一度チェックを。
③「誰のための保険か」を改めて考える
そして最後に、“誰を守るための保険か”を見直しましょう。
子どもが自立した後も高額な死亡保障を続けている方や、夫婦ともに医療保険が重複している方は少なくありません。
家族構成や収入の変化によって、「必要な保障額」や「保険の目的」も自然と変わります。
もし「自分が亡くなったときの保障」はもう十分なら、次は「自分が長生きしたときの備え(介護・年金・医療)」へシフトする時期かもしれません。
FP視点でのアドバイス:年末調整が“きっかけ”になる
保険の証明書を提出する前に、「この保険、どんなときに役立つんだろう?」と一度考えてみてください。
保険は“安心を買うもの”ですが、内容を理解してこそ本当の安心です。
もし証券を見ても内容がよく分からない場合は、無理に自分で判断せず、FPに相談してもOK。
私は伊東市を中心に、保険・住宅ローン・相続・老後資金など、お金全般の整理をお手伝いしています。
年末は忙しい時期ですが、「見直しのタイミング」としては絶好です。
たった1時間の確認で、無駄な支出を減らし、必要な備えを整えることができます。
まとめ:今の暮らしに“ちょうどいい”保険を
・加入目的を見直す
・保障内容と保険料のバランスを確認する
・家族構成に合わせて整理する
この3つを意識すれば、保険の整理は難しくありません。
保険は“一度入ったら終わり”ではなく、“暮らしに合わせて育てるもの”。
年末調整で証明書を手にしたこのタイミング、あなたの家計をもう一度見直すチャンスです。
