「家が今いくらくらいで売れるのか?」
不動産会社に依頼する前に、まずは自分で目安をつけたいという人は多いです。
今回は、専門家でなくてもできる “セルフ査定の方法” を、やさしくまとめました。
セルフ査定でできること・できないこと
◎ できること
・おおよその価格帯を把握する
・売却計画の目安をつかむ
・相場より安く売ってしまう失敗を防ぐ
△ できないこと
・正確な売却価格の決定
・土地の個別要因(形状・高低差・接道など)の細かい評価
・法規制のチェック(建ぺい率、容積率、都市計画 など)
セルフ査定は “最初の方向性を決めるための作業” と考えるとちょうど良いです。
ステップ1:周辺の成約価格を調べる(最重要)
売却価格の基本は「近い条件の物件がいくらで売れたか」です。
調べるポイント
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同じエリア
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マンションなら同じマンション or 近隣の同規模
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土地・戸建てなら徒歩圏内の同条件
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築年数、広さ、階数(マンションの場合)
成約価格の調べ方
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レインズマーケットインフォメーション
→ 実際に成約した「本物の価格」が見られる -
国土交通省・土地総合情報システム
→ 過去の取引価格が載っている -
不動産ポータルサイト(SUUMO・LIFULLなど)
→ 売出価格なので、実際より高めだが参考になる
まずは半径500m〜1kmの範囲で“似た物件の成約額”を探しましょう。
ステップ2:築年数による価値の落ち方を計算
建物の価値は、築年数とともに下がっていきます。
ざっくり計算(戸建ての場合)
「建物の価値 ≒ 新築時の建築費 × 経年による減価率」
築20年を超えると、建物価値はほぼゼロという査定も多いです。
土地がメインになるケースが一般的です。
マンションの場合
マンションは管理状態によって価値が残りやすく、築20年を過ぎても“市場価格が安定しやすい”特徴があります。
ステップ3:土地の要因をチェック
土地の評価に大きく影響するポイントがあります。
プラス評価
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整形地(四角い土地)
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南道路
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接道の幅が広い
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高台で見晴らしが良い
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駅や商業施設が近い
マイナス評価
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不整形地(細長い・三角形)
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接道が狭い
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崖地がある
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日当たりが悪い
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セットバックが必要
これらを見ながら、成約価格の平均を「+α」「−α」で調整します。
ステップ4:マンションは「階数・向き・管理」で調整
同じマンションでも、価格は大きく変わります。
価格が高くなりやすい
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南向き
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中層〜高層階
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眺望が良い
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リフォーム済み
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管理状態が良い(重要)
価格が下がりやすい
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1階や北向き
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エレベーターなし
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管理費・修繕積立金が高い
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大規模修繕が迫っている
似た部屋の売出価格や成約事例を見比べて調整しましょう。
ステップ5:最終的に“価格帯”を作る
セルフ査定は、1円単位で正確に出す必要はありません。
例
・周辺の成約価格:3,000〜3,300万円
・自宅は南向き・高層階 → +100万円
・築年数が少し古い → −50万円
➡ 最終査定:3,050〜3,400万円くらい
このように「価格帯」で判断するのが現実的です。
セルフ査定後にやると良いこと
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複数の不動産会社に査定依頼して比較
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高すぎる査定を出す会社は慎重に
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査定の根拠を必ず聞く
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売出価格は少し“高め”に設定して問題なし
セルフ査定をしておくと、業者の査定が「高過ぎる」「安過ぎる」を見抜けます。
売却で失敗したくない人には、とても有効です。
まとめ
不動産のセルフ査定は、
① 周辺の成約価格を調べる
② 自宅の条件で加点・減点していく
③ 最終的に価格帯を作る
という流れでできます。
プロの査定を受ける前に自分で相場観を持っておくと、交渉もしやすく、売却でも有利になります。
