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相続・離婚・贈与…不動産の名義変更が必要なケースをわかりやすく整理

家の名義は、人生の節目に合わせて変える必要が出てくることがあります。
しかし、実際には「そのまま放置している」「手続きが必要なのを知らなかった」というケースがとても多いです。
名義変更をしないまま時間だけが経つと、
・相続手続きが複雑になる
・売却や活用がスムーズにできなくなる
・家族間でトラブルに発展する
といった問題が起こりがちです。
この記事では、名義変更が必要になる主な場面をわかりやすく整理し、あわせて注意点も解説します。

名義変更が必要になる主なケース

【1】相続による名義変更

家の所有者が亡くなった場合の名義変更です。

相続登記は、2024年から「義務化」され、相続開始から3年以内 に手続きをしないと、10万円以下の過料(罰金)が発生する可能性があります。

相続が発生したら、まずは
・誰が相続人か
・遺産分割協議の内容
を整理し、速やかに登記に進めることが大切です。

【2】離婚による名義変更

夫婦が離婚する場合、家をどちらか一方が所有することがあります。

よくあるケースは
・家を妻(夫)が引き取り、その代わりに財産分与を行う
・住宅ローンを組んだ側とは別の人が家に住み続ける
といったパターン。

名義変更をしないままだと「元配偶者の財産」として扱われ続けるため、
将来の売却や相続で大きなトラブルに発展します。

【3】贈与による名義変更

親が子へ家を渡したいとき、または夫婦間で財産を整理したいときに行われます。

贈与のポイントは
・贈与税がかかる可能性がある
・名義変更(所有権移転登記)が必要
という2点です。

また、毎年110万円までの「基礎控除内の贈与」であっても、名義だけ渡して「実際にお金が動いていない」場合、贈与と認められず後々問題になることがあります。

【4】住宅ローン完済による名義変更(抵当権抹消)

ローンを組んで買った家には「抵当権(担保)」がついています。

完済後は、抵当権抹消登記という名義変更に似た手続きが必要です。

これを放置していても住むことはできますが、
・売りたいときに手続きが必要
・相続のときに他の書類も増えて手間が倍増
など、確実に面倒が増えます。

【5】夫婦で家を共有したい場合の名義変更

夫婦でローンを返済しているのに、名義が片方のみ…というケースは珍しくありません。

共有に変える理由の例:
・実際に二人で支払っているため公平にしたい
・将来の相続でもめないようにしたい

共有名義に変更する場合も登記が必要です。

【6】売買(家を買った・売った)に伴う名義変更

家を買ったときはもちろん、売ったときも名義変更が行われます。

これは一般的な手続きですが、
たまに「売主側の古い住所のまま」「抵当権が残ったまま」というケースがあり、
登記内容と現実がズレると手続きが途端に複雑になります。

名義変更を放置すると起こりやすいトラブル

1. 売却できない

名義が違うと「そもそも売る権利がない」状態です。

売却のたびに登記を整える必要があり、
古い名義のまま放置すると
・書類が足りない
・関係者が高齢で署名が困難
・相続関係が複雑化
など、手続きに何倍も時間がかかります。

2. 相続が煩雑になる

名義が昔のままだと、相続が発生したときに「その人のものとして扱われる」ため、関係者が増えて話し合いがまとまりづらくなります。

3. 共有者が増え、話が進まない

特に古い家ではよくある問題です。

たとえば、祖父→父→子へと名義変更をしないまま相続が起こると、親族全員の同意が必要になり、まとまらないことが多くなります。

名義変更に必要な主な書類

ケースによって異なりますが、代表的なものは以下です。

  • 登記申請書

  • 登録免許税の納付書

  • 住民票/戸籍謄本

  • 印鑑証明書

  • 遺産分割協議書(相続の場合)

  • 贈与契約書(贈与の場合)

  • 登記識別情報通知(権利証)

専門家に依頼する場合は、必要書類は最小限で済むことが多いです。

名義変更の費用

費用の内訳は大きく2つです。

  1. 登録免許税(国に払う税金)

  2. 司法書士報酬(依頼する場合)

ケース別の概算:

  • 相続:1万〜数万円(固定資産税評価額による)

  • 贈与:相続より少し高め

  • 抵当権抹消:1件1,000円

※地域や物件によって変わります。

自分でできる?専門家に頼むべき?

名義変更は「自分でも可能」です。
ただし、状況が複雑なケースは専門家に頼んだほうが安心です。

専門家に依頼すべきケースの例

  • 相続人が複数いる

  • 贈与税の判断が必要

  • 名義が古すぎて書類が揃わない

  • 共有名義を整理したい

  • 売却を見据えて最短ルートで進めたい

時間・労力を考えると、依頼する方がスムーズな場合が多いです。

まとめ

名義変更は、相続・離婚・贈与など、人生の大きな節目で必ず関わる手続きです。
そのまま放置してしまうと、売却・相続・共有者との調整で大きなトラブルにつながりやすくなります。

もし今、
「名義が昔のままかもしれない」
「何から手をつけていいかわからない」
と感じているなら、早めに一度確認することをおすすめします。

名義をきちんと整えることは、家族の資産を守るための大切な一歩です。

伊藤宏治

伊藤宏治

CFP®認定者、宅地建物取引士、リフォームスタイリスト1級。お金、不動産、住まいの3つの視点から、お客様の「豊かな暮らし」を実現するお手伝いをしています。「ライフプランニング」「住宅購入・売却」「リフォーム」といった、人生の大きなイベントで役立つ知識を、専門家ならではの視点で分かりやすく解説。皆さんの選択がより良いものになるよう、心を込めて情報をお届けします。

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