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相続で不動産を受け継いだときに、まず取り組むべき5つのステップ

相続で不動産を受け継いだ瞬間、多くの方がまず感じるのは「不安」と「戸惑い」です。
普段あまり関わらない相続の手続きに加えて、値段の大きい不動産が絡むと、何を優先すべきか判断が難しくなります。
「とりあえずそのままにしておこう」と放置してしまうケースも少なくありません。
しかし、不動産の相続には、税金・名義変更・管理の負担など、時間が経つほど複雑になってしまう問題がいくつもあります。
一方で、順番を押さえて手続きを進めれば、必要以上に悩むことなくスムーズに整理できます。
相続直後の数週間で何をするかによって、後の家族トラブルやお金の負担を大きく減らすことも可能です。
この記事では、相続で不動産を受け継いだときに「まず最初にやるべきこと」を5つのステップに分けて、できるだけわかりやすくまとめました。
はじめて相続に触れる方にも理解しやすい内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。

1. 相続人と遺産の全体像を整理する

まず大切なのは、「誰が相続人なのか」「遺産に何が含まれているのか」を明確にすることです。
相続手続きをスムーズに進めるためには、この整理が出発点になります。

ここで役立つのが 「法定相続情報一覧図」 という制度です。
これは、法務局が相続人の情報をまとめてくれる“公式の証明書”のようなものです。

■ 法定相続情報一覧図とは?

法定相続情報一覧図は、亡くなった方(被相続人)の家族関係を一覧にまとめた図で、法務局に提出した戸籍一式をもとに作られます。
これを作成しておくと、以下のようなメリットがあります。

  • 銀行・証券会社・保険会社の相続手続きにそのまま使える

  • コピーを何枚でも発行してもらえるため、同時並行で手続きが進む

  • 分厚い戸籍一式を毎回提出しなくてよくなる

  • 相続登記にも利用できるので、全体の手続きが一気に軽くなる

従来は、銀行や役所の手続きのたびに「出生から死亡までのすべての戸籍」を揃えて提出する必要がありました。
これがとても大変で、何度も窓口を回る人も多かったのですが、法定相続情報一覧図があれば、必要な書類提出が大幅に減ります。

■ なぜ最初に作っておくと良いのか?

相続では、

  • 相続登記

  • 預貯金の名義変更

  • 株式や投資信託の解約

  • 保険金の請求

  • 不動産の名義変更

など、多くの手続きが発生します。

このとき、家族関係が証明された書類を何度も求められます。
法定相続情報一覧図を最初に作っておくことで、どの手続きにも共通で使える「共通パス」のような役目を果たし、全体の流れが非常にスムーズになります。

2. 引き継いだ不動産の種類・状態・名義を確認する

次に、不動産がどんな状態なのかを確認します。
確認するポイントは以下のとおりです。

  • 土地なのか建物なのか

  • 自宅なのか、空き家なのか、貸している物件なのか

  • 名義は誰になっているのか(亡くなった方のままか)

  • 建物の築年数や修繕状況

  • 現在の利用状況(住んでいる・空き家・貸している)

これらが分かると、「売る・貸す・住む」の判断がしやすくなります。
また、名義確認は相続登記につながる大切な作業です。

3. 相続登記の“3年ルール”を把握する

2024年から「相続登記の義務化」が始まり、相続を知ってから3年以内に登記しなければならない ことになりました。

もし登記をしないまま放置すると、10万円以下の過料(罰金)が科される場合があります。

相続登記は専門家に頼んだ方がスムーズですが、必要な書類や手順を理解しておくと、後の手続きが楽になります。

4. 固定資産税・都市計画税・管理コストをチェックする

不動産を相続すると、翌年から不動産にかかる税金を支払う必要があります。

特に確認しておくべきなのは次の3点です。

  • 固定資産税・都市計画税の金額

  • 家屋の管理が必要かどうか(空き家かどうか)

  • 将来売却する場合の費用(測量・解体など)

相続した不動産が空き家のまま放置されると、管理費用や修繕費が重くなることもあります。
早めに全体のコストを把握しておくことで、判断がしやすくなります。

5. 売る・貸す・住むを決めるための家族会議を開く

最後に、不動産の今後について家族で話し合いましょう。

判断のポイントは次のとおりです。

  • 家族のライフスタイルに合うか

  • 維持費や税金を負担できるか

  • 売却する場合、どのタイミングが良いか

  • 将来の相続(次の代)にどう影響するか

“不動産は持っているだけでお金がかかる”ので、早めの決断が大切です。

家族全員が納得できる形を目指しながら、専門家の意見も取り入れるとスムーズに進みます。

まとめ

相続した不動産を前にすると、何から手を付けるべきか迷うのは自然なことです。
ですが、今回お伝えした5つのステップを順番に進めることで、必要な作業が整理され、不安がぐっと軽くなります。

不動産は「持っているだけでお金がかかる資産」であり、判断を先送りにすると固定資産税や管理費が積み重なるだけでなく、将来の家族間のトラブルにつながることもあります。
だからこそ、きるだけ早い段階で現状を把握し、家族と話し合い、適切な方針を決めておくことが大切です。

相続は一生のうち何度も経験するものではありません。
不明点があって当然ですし、専門家の力を借りながら進めることで、時間とお金のロスを最小限にできます。

この記事が、不動産を相続した方が安心して一歩を踏み出すための手助けになれば幸いです。

伊藤宏治

伊藤宏治

CFP®認定者、宅地建物取引士、リフォームスタイリスト1級。お金、不動産、住まいの3つの視点から、お客様の「豊かな暮らし」を実現するお手伝いをしています。「ライフプランニング」「住宅購入・売却」「リフォーム」といった、人生の大きなイベントで役立つ知識を、専門家ならではの視点で分かりやすく解説。皆さんの選択がより良いものになるよう、心を込めて情報をお届けします。

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