高齢化が進む日本では、認知症は決して特別な病気ではなくなりました。
誰もが「自分や配偶者が将来なるかもしれない」身近なリスクです。
こうした中、最近は民間保険会社から「認知症保険」という新しいタイプの保険が次々と登場しています。
一方で、「介護保険があるのに、本当に必要なの?」「入る意味はあるの?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
・認知症保険の仕組み
・公的介護保険との違い
・加入すべき人・そうでない人
を整理しながら、冷静に判断するための材料をお伝えします。
認知症保険とは?基本的な仕組み
認知症保険とは、医師から認知症と診断された場合に給付金を受け取れる保険です。
商品によって違いはありますが、主に次のようなタイプがあります。
-
認知症と診断された時に 一時金 を受け取れる
-
認知症の状態が続く間、 年金形式で給付 が続く
特徴的なのは、お金として受け取れる点です。
使い道は自由なので、
-
介護サービスの自己負担分
-
施設入居時の初期費用
-
見守りサービスや配食サービス
-
介護する家族の生活費補填
など、家庭ごとの事情に合わせて使えます。
公的介護保険とは?まず知っておきたい基本
一方、公的介護保険は国の制度です。
40歳以上の人が加入し、要介護・要支援と認定されることでサービスを受けられます。
主な特徴は次のとおりです。
-
現金ではなく サービス提供が中心
-
訪問介護、デイサービス、施設利用などが対象
-
原則1~3割の自己負担が必要
つまり、公的介護保険は「介護を受ける仕組み」であり、自由に使えるお金がもらえる制度ではありません。
認知症保険と介護保険の違い
両者の違いをシンプルに整理すると、次のようになります。
-
介護保険
→ サービスを受ける制度 -
認知症保険
→ お金を受け取る保険
また、給付のタイミングにも違いがあります。
認知症保険は「診断」だけで給付される商品が多く、
要介護認定よりも早い段階でお金を受け取れるケースもあります。
この「早く・自由に使える」という点が、認知症保険の大きな特徴です。
認知症保険のメリット
認知症保険の主なメリットは次のとおりです。
-
診断されただけで給付される商品がある
-
現金給付なので使い道が自由
-
介護が本格化する前の費用にも対応できる
-
家族の経済的・精神的負担を軽くできる
特に、「家族に迷惑をかけたくない」と考える方にとっては、心理的な安心感につながる保険といえます。
認知症保険の注意点・デメリット
一方で、注意すべき点もあります。
-
すべての認知症が給付対象とは限らない
-
給付条件が細かく決められている
-
保険料が割高に感じることがある
-
高齢になると加入できない、または保険料が高い
「認知症になったら必ずもらえる」と思い込まず、約款や給付条件の確認は必須です。
認知症保険が向いている人
認知症保険は、次のような方に向いています。
-
貯蓄にあまり余裕がない
-
配偶者や子どもに経済的負担をかけたくない
-
単身世帯、または老老介護が想定される
-
介護保険だけでは不安を感じている
「貯蓄でまかなうのが難しいリスク」を補う役割として考えると、位置づけが分かりやすくなります。
無理に入らなくてもよいケース
逆に、次のような場合は必須とはいえません。
-
十分な金融資産がある
-
すでに介護費用をカバーできる保険に加入している
-
家族の支援体制が整っている
この場合、保険よりも「資産の管理方法」や「家族との役割分担」を考える方が重要になることもあります。
まとめ|「不安」ではなく「役割」で考える
認知症保険は、不安をあおるための保険ではありません。
公的介護保険ではカバーしきれない 「お金の部分」 を補うためのものです。
大切なのは、
-
自分の資産状況
-
家族構成
-
介護が必要になった時の現実
を整理した上で、「本当にこの保険が必要か」を判断することです。
不安なときこそ、感情ではなく仕組みで考える。
それが、後悔しない選択につながります。
