「マンションは持っているだけで安心」そう思っていませんか?
2025年に成立し、2026年4月に施行される区分所有法改正は、マンションの価値や将来に大きく影響します。
特に、管理がうまくいっていないマンションほど影響は深刻です。
この記事では、改正のポイントを正しく理解し、「自分のマンションはどうすべきか」判断できるように解説します。
結論から言うと、これからは管理の差で資産価値が大きく分かれる時代になります。

マンション所有者に影響大?区分所有法改正の全体像
マンションを所有している方にとって、今回の区分所有法改正は無関係ではありません。
むしろ、今後の資産価値や管理のあり方を大きく左右する重要な改正です。
そもそも区分所有法とは、マンションのように「一つの建物を複数人で所有する場合のルール」を定めた法律です。
具体的には、共用部分の管理や修繕、建て替えなどをどのように決めるかを定めています。
しかし、これまでの制度には大きな問題がありました。
それは、「合意形成が難しく、何も決められないマンションが増えていたこと」です。
例えば、
・一部の反対で修繕が進まない
・所有者が高齢化・不在で連絡が取れない
・建て替えが必要でも決議ができない
といった状況が全国で増えていました。
その結果、
👉 老朽化が進んでも放置される
👉 管理が崩壊する
👉 資産価値が大きく下がる
という問題が深刻化していたのです。
こうした背景を受けて、2025年に法改正が成立し、2026年4月から新しいルールが施行されます。
今回の改正によって変わるのは、大きく次の3点です。
・建て替えや修繕の意思決定が進めやすくなる
・管理されないマンションに外部から介入できる
・所有者不明などでも手続きが止まらなくなる
つまり一言でいうと、 「何も決められないマンション」をなくす方向に制度が変わったということです。
これにより、適切に管理されているマンションは価値が維持されるが管理ができていないマンションは淘汰されるという“二極化”がさらに進んでいきます。
今後は、「持っているだけで安心」という時代ではなく、 管理の質がそのまま資産価値に直結する時代になります。
【重要】具体的な改正ポイント
今回の区分所有法改正は、「細かいルール変更」ではなく、マンションが動かない問題を解消するための構造的な見直しです。
ここでは、特に重要なポイントを整理して解説します。
修繕や管理の意思決定が進みやすくなる
これまでの大きな問題の一つが、「決議が通らないこと」でした。
マンションでは、共用部分の修繕や管理について、区分所有者の多数決で決める必要があります。
しかし現実には、総会に出席しない人や無関心な所有者が多く、必要な修繕であっても決議が進まないケースが多くありました。
今回の改正では、区分所有権の処分を伴わない事項(修繕など)については、出席者を前提に合理的に決議できる方向に見直しが行われています。
これにより、外壁の修繕や設備更新など、本来早くやるべき対応が進みやすくなります。
結果として、「放置による劣化リスク」を減らす仕組みに変わったと言えます。

所有者不明でも手続きが止まらなくなる
これまで非常に多かったのが、「所有者と連絡が取れない問題」です。
・相続登記がされていない
・所有者が遠方で連絡不能
・長年放置されている空室
こうしたケースでは、本来必要な決議でも、母数に含まれるため成立しないという問題がありました。
今回の改正では、一定の条件のもとで、裁判所が認定した所在不明者を決議から除外できる制度が導入されます。
これにより、「連絡が取れない人のせいで何も決められない」という状態を解消できるようになります。
実務的には、管理組合が現実的に機能しやすくなる非常に大きな改正です。
管理されないマンションに外部から介入できる
今回の改正の中でも特に重要なのが、管理不全への対応強化です。
これまでの制度では、
・管理組合が機能していない
・役員のなり手がいない
・問題のある住戸が放置されている
といった場合でも、有効な対処が難しいケースがありました。
改正後は、こうした状況に対して、 裁判所が選任した管理人が介入できる仕組みが整備されます。
つまり、極端に言えば「誰も動かないなら、第三者が入って動かす」という制度になります。
マンションは共同所有のため、一部の放置が全体に悪影響を及ぼします。
そのため、この改正は資産価値の維持という観点でも非常に重要です。
建て替え・再生の選択肢が広がる
これまでは、老朽マンションの再生といえば「建て替え」が中心でした。
しかし、建て替えは費用も合意形成もハードルが高く、現実的に進まないケースが多くありました。
今回の改正では、
・一棟リノベーション
・建物と敷地の一括売却
・建物の取壊し
といった、建て替え以外の再生手法にも対応する制度が整備されました。
これにより、立地が悪く建て替えが難しい、資金負担が大きすぎるといったマンションでも、現実的な選択肢を取りやすくなります。
つまり、「建て替えしかない」という行き詰まりを解消する改正といえます。
危険な建物は合意要件が緩和される
もう一つ重要なのが、建物の状態に応じた決議要件の見直しです。
従来は、建て替えや取壊しには非常に厳しい同意要件が必要でした。
そのため、明らかに危険な建物でも、合意が取れず放置されるケースがありました。
今回の改正では、耐震性不足、災害による損傷など、一定の客観的条件を満たす場合には、通常より低い同意割合で決議が可能になります。
これは、「危険なのに動けない」という状態を防ぐためのものです。
管理の透明性がより求められるようになる
今回の改正は、「決めやすくする」だけではありません。
同時に、管理の透明性を高める方向にも見直しが行われています。
例えば、管理者や管理業者が関与する取引については、 利益相反がないかを説明する必要があるといったルールが整理されています。
これにより、区分所有者にとっては、何にお金が使われているのか、適正な判断なのかがより見えやすくなります。
ここまでの改正ポイントをまとめると、 「決められない・動けないマンション」をなくすための改正です。
これにより今後は、
・管理がしっかりしているマンション → 価値維持
・管理が崩れているマンション → 価値下落
という流れが、これまで以上に明確になります。


よくある質問(Q&A)
Q. 区分所有法改正は自分のマンションにも影響がありますか?
結論から言うと、ほぼすべてのマンション所有者に影響があります。
今回の改正は一部の特殊なケースではなく、「区分所有」という仕組みそのものに関わるルールの見直しです。
そのため、築年数に関係なく、すべてのマンションが対象になります。
ただし影響の大きさは異なります。
築年数が古く、管理がうまく機能していないマンションほど影響は大きくなりやすく、逆に管理がしっかりしているマンションでは影響は比較的限定的です。
つまり、「関係あるかどうか」ではなく、「どのくらい影響を受けるか」が重要になります。
Q. 改正によってすぐに何か対応しなければいけませんか?
基本的には、すぐに強制的な対応が求められるわけではありません。
ただし、何もしなくていいという意味ではありません。
今回の改正は、徐々にマンションの管理や意思決定のあり方に影響を与えていくものです。
特に、修繕や建て替えなどの議論が出た際には、改正内容が前提になります。
そのため、今の段階でやるべきことは、
・管理組合が機能しているか
・修繕積立金は適切か
・総会に参加しているか
といった現状の把握です。
「何か起きてから対応する」のではなく、事前に状況を整理しておくことが重要です。
Q. マンションの資産価値にはどのような影響がありますか?
今回の改正によって、資産価値の差はこれまで以上に広がる可能性があります。
理由は、管理や意思決定が進みやすくなることで、「適切に管理されているマンション」と「放置されているマンション」の差が明確になるためです。
例えば、修繕が計画的に行われているマンション、管理組合が機能しているマンションなどは、買主から見ても安心感があり、価格が維持されやすくなります。
一方で、修繕が遅れている、管理が機能していない、といったマンションは、今後さらに評価が厳しくなる可能性があります。
つまり今回の改正は、 「管理状態がそのまま価格に反映されやすくなる」という変化をもたらします。
Q. 管理組合に参加していないのですが問題ありますか?
結論としては、今後は参加していないこと自体がリスクになる可能性があります。
これまでの制度では、参加していない人が多いことで決議が進まないという問題がありました。
しかし改正後は、出席者を前提に決議が進みやすくなるため、参加していない場合でも決定が進んでいきます。
その結果、修繕の実施、費用負担の決定、などが、自分が関与していないまま決まる可能性があります。
マンションは共同所有のため、 「関わらない=影響を受けない」ではありません。
むしろ、関与しないほど不利になる可能性がある点は理解しておく必要があります。
Q. 修繕積立金や費用負担は増えるのでしょうか?
可能性としては、増えるケースは十分に考えられます。
今回の改正は、修繕や再生を進めやすくするものです。
そのため、これまで先送りされていた修繕が実行に移されることで、費用負担が現実化するケースが増えると考えられます。
ただし、これは必ずしもデメリットとは限りません。
むしろ、適切なタイミングで修繕を行うことで、将来的な大規模な修繕費の増加を防ぐ効果もあります。
重要なのは、 「いつ・どのくらいの負担が発生するのか」を把握することです。
Q. 築浅マンションでも関係ありますか?
短期的には影響は小さいですが、長期的には確実に関係してきます。
マンションは時間とともに必ず老朽化します。
そのため、築浅であっても将来的には修繕や再生の問題に直面します。
今回の改正は、その時にどのように意思決定をするかというルールの変更です。
つまり、今すぐではなくても、将来に確実に関係する制度です。
Q. 売却を考えている場合はどう判断すべきですか?
売却の判断は、マンションの状態によって大きく変わります。
・管理がしっかりしている場合
→改正により価値が維持されやすくなるため、急いで売る必要はないケースもあります
・管理に不安がある場合
→今後さらに評価が下がる可能性があるため、早めの判断が有利になるケースもあります
重要なのは、「市場からどう見られるか」です。
同じ築年数でも、管理状態によって評価は大きく変わります。
Q. 今後、マンション選びの基準は変わりますか?
結論としては、確実に変わります。
これまでは、
・立地
・築年数
・価格
が主な判断基準でしたが、今後はこれに加えて、 管理の質が重要な判断材料になります。
具体的には、
・管理組合が機能しているか
・修繕計画が適切か
・積立金が足りているか
といった点が、購入時の重要なチェックポイントになります。
今回の改正は「特定の人だけの問題ではない」ということです。
マンションを所有している限り、管理、修繕、将来の価値などの問題からは逃れられません。
だからこそ、「知らないまま放置する」ことが一番のリスクになります。

今のままで大丈夫か、一度整理してみませんか?最適な選択を一緒に考えます。
まとめ
今回の区分所有法改正は、単なるルール変更ではなく、マンションの将来を大きく左右する重要な転換点です。
これまで問題となっていた「合意形成ができず、何も決められないマンション」を減らすために、意思決定の仕組みや管理体制が現実に合わせて見直されました。
その結果、これからは管理や修繕が進みやすくなる一方で、マンションごとの状態によって差がはっきりと表れる時代になります。
適切に管理されているマンションは価値を維持しやすくなる一方で、管理が機能していないマンションは、今まで以上に評価が厳しくなる可能性があります。
つまり、「持っているだけで安心」という考え方は通用しなくなり、これからは管理の質や将来の見通しが、そのまま資産価値に直結していきます。
大切なのは、改正の内容を知ることだけではなく、自分のマンションがどの状況にあるのかを正しく把握することです。
管理組合が機能しているのか、修繕計画は現実的なのか、将来の負担はどの程度見込まれるのか。こうした点を整理することで、初めて「保有し続けるべきか」「売却を検討すべきか」といった判断ができるようになります。
今回の改正は、何もしない人にとってはリスクとなり、状況を理解して行動できる人にとってはチャンスにもなります。
だからこそ、「まだ大丈夫」と先送りするのではなく、一度立ち止まって現状を整理することが重要です。
もし、ご自身のマンションについて不安がある場合や、今後の選択に迷っている場合は、専門家に相談することで方向性が明確になります。
現状を整理し、将来に向けて最適な判断をしていきましょう。
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